第10回
■茶室の天井■
●天井にも「真行草」?
茶室の天井は「真行草」でなければならないといったりしますが、真行草でなければ茶室の天井ではないともいえません。
天井の「真行草は天井の形というより、下に座る客の位置で考えると分かりやすいのです。
床の間の前は正客が座りますからここの天井は「真」、詰が座る場所は結果的に掛込天井部分になりますからそこが「行」、亭主が座る部分が「草」という風に考えれば分かりやすくなります。
天井の種類が3種類の場合の区別の仕方であって、2種類の天井の小間茶室もたくさんありますので、必ず3種類の天井を組合さなければならないという風には思わないほうが良いでしょう。
●天井の形
平天井・・平たい天井のことで、周囲に比べて天井の高さを落した部分を落天井といって一般的には亭主が座る部分の天井にします。
掛込天井・・化粧の屋根裏を天井としているもので、とても魅力的ですので小間の茶室にはぜひ欲しいものです。
斜め天井・・茶室の場合は化粧の屋根裏として仕上げを行います。
船底天井・・屋形船の天井などの形を模している天井です。
網代天井・・本網代の天井は大変な手間がいるので、最近ではすでに編みこんである天井仕上材として流通しているようです 。
いろいろな種類の編み方があります。
●掛込天井
化粧の屋根裏を天井としているもので、化粧の軒高さは約160cmから170cm程度が多いようです。
掛け込み天井の位置は、基本的には客が出入りする部分の上・・つまり床の間の反対側になります。
ただ、下座床などの場合は注意が必要です。
掛け込み天井は茶室全体の雰囲気に大きな影響を与えますので、高さや勾配、仕上げなどを決めるときには慎重に考えましょう。