第12回
■茶室の釘 いろいろ■
●軸釘
床の間の軸釘は廻縁から9分下がったところに9分出した竹釘を皮を上にしてやや斜め上に傾けて打つのが良いとされています。
壁の部分に取り付けることになるのであらかじめ下地を入れておく必要があります。
折釘を使う場合もありますが千家流茶室の場合は竹釘を使うとされています。
●花釘と中釘
その高さについてはほとんどの人が迷うのではないでしょうか。
当然のことながら床の間の大きさや天井の高さなどによって多少違ってきます。
花釘
床柱に打つ釘で床框から3尺3寸から3尺9寸程度が良いといわれています。
中釘
床の間の壁の真ん中に取り付ける釘になりますが、無双釘として花釘より1寸程度下げるとされています。
●柳釘
正月の結柳を掛けるための釘で、下座の奥柱に廻縁から9寸程度下がった位置とされています。
こういったことはそれぞれの金物のほんの一部分の事柄です。実際には個別に決めるのではなく、全体として決めていきます。
書物や実際の茶室での寸法を測ってみるとやはり多少のばらつきがあります。最終的には部屋の広さや天井の高さ、使い方なども考慮して決めていかなければなりません。
そのほかにも、水屋に取り付ける竹釘などもあり、設計者と相談されてよりよい、使いやすいものにしていきましょう。