第18回
■炉・炉壇・炉縁■
炉は元々炭火を使う囲炉裏を茶室に取り込んだものと言われていますが、時代を経て現在は大きさが1尺4寸角と決められています。
茶室の炉は、炉壇と炉縁で構成されています。
炉壇は炭を入れて火を起こしたり釜を据えたりする部分で、炉縁は炉壇の上に乗せて炉の枠のような形で置かれるものです。
炉壇
釜を丁度良い高さと出来るように五徳を据え、ある程度の厚みの灰を入れるわけですから炉壇の深さもある程度決まってきます。
本炉壇と呼ばれるものは、桧で作られた木箱のようなものにすさ等を入れた土を内側に塗りこめて作りますが、費用も土の塗替えなどの管理も大変なので少なくなっているようです。
住宅などではその代わりに銅板製や鋼板製の炉壇を使うことが多くなっています。
規格品としてメーカーが製作しているもので、略式の炉壇と言えます。
炉縁
寸法としては1尺4寸角、高さは2寸2分となっています。
目立つものですから、作家の方が創られたものや漆塗のもの、木地のものなどさまざまなデザインのものが時と部屋に合わせて使われます。
蛭釘(蛭環)
釣釜としてのお点前があるので、炉の上に蛭釘(蛭環)を取り付けます。
流派によって釘の向きが違いますので確認をしてください。
お湯の入った釜はかなりの重さになりますから、取り付けるための下地を考える必要があります。
釘のフックの芯と取り付ける芯とにずれがありますので正確な位置を出す必要があります。