第27回
■茶室の設計■
茶室というのは当然、ただ茶事を行うところであって見せるためのものでもなくて、炉が切ってあるだけの部屋ではありません。
つまり亭主にとってもお客様にとっても茶事を行いやすく、使いやすく、気持ちよく過ごせる空間でなければないません。
ということは他の部屋、スペースとの関係もとても重要になってきます。
住宅の中にある部屋なのか、独立した草庵茶室なのかなどによって多少の違いがありますが、主客の基本的動線は変わりません。
でも一般には、茶室でお茶を飲むことだけが茶会だと思っている人がスゴク多いのです。
実は茶事のほんの一部にしかすぎないのです。ここを勘違いすると全く使えない茶室設計をスタートさせてしまいます。
茶事の流れを知らないと設計できないのです。
茶室とはお点前をおする部屋ではなくて、周囲のスペースや働きを考えた全体をいいます。
皆さんもどこかの場所をお借りして一度茶事を体験されてみてください。
きっと今までと違った茶室空間というものを意識することができるでしょう。
それこそがよりよい茶室を設計する第一歩なのです。
(現在の住宅事情やスペースに合わせてある程度省略したり、まとめたりできますので安心してご相談下さい。)
実際にお茶に接していない人には決して本当の意味での茶室の設計ができないのです。
茶事をよく理解している設計者は、どのようなところから考え始めても、全体として使いやすい茶室を設計できます。