8回  

大切な水屋の設計

使いやすい水屋
水屋はその茶室の使いやすさを大きく左右するとても大切な部分です。
お点前をしやすいように、お客様においしくお茶を飲んでいただけるために、茶事を行うためにあるのですから、使いやすいように水屋の中を考えなければなりません。
茶室に対して使いやすい位置と広さが必要であると先に書きましたが、さらに準備がしやすい棚や流し(水槽)、さまざまな道具や炭等の収納スペースはぜひとも必要です。
懐石のためのキッチンが隣にあればさらに使いやすくなります。茶席専用でなくても住宅のキッチンを利用することができるのであれば十分です。
そして流し(水槽)は茶室側の壁に取り付けずにおきましょう。
茶席から水屋が直接見えないような水屋の配置にしたいものです。(見えないように屏風で工夫することもあります)

水屋には大小さまざまな道具のための収納がいくらあっても足りないので、押入や床下収納・納戸・整理ダンスなどそれぞれ工夫するとより使いやすくなります!!

水屋棚廻り
流しに向かって正面には茶碗や濃茶器・薄茶器・灰器などのための棚が3〜4段、腰板には柄杓や茶筅、布巾のための竹掛釘が打ってあります。
さらに蛇口なども壁面につきますので古くからある茶室より間口は広めにするほうが良いでしょう。
棚板は道具に優しい杉で作りますが棚の奥行き寸法に注意してください。
8寸5分程度といわれますが、置く道具の大きさや使いやすい深さを考えて決定します。

流しの深さは4寸〜5寸程度で銅板製として竹すのこを上に敷きます。
手暗がりとならないように正面にはぜひ窓が、さらに照明も欲しいものですよね。

水屋流しの前の板部分(フローリング部分)の床下には炭入れを設けます。
以前炭はそのまま収蔵していましたが、今は一般的に紙箱に入れられたものから出して使っていますので、この紙箱が余裕ではいるような大きさが使いやすいものです。
蓋には指1本が入る程度の穴を開けておき指掛かりとします。

水屋棚廻りについては写真などを見てイメージすると分かりやすいでしょう!